2013年06月07日

サムソン電子が活用しているリバース開発

先日、クライアント先の事業企画責任者が集まって、日本の家電メーカの敗北とサムソン電子の成功要因を議論します。


私はこの議論の中で、サムソン電子が活用しているリバース開発の説明をする予定になっています。


1993年の私がコンサルタントになって間もない頃、日本の自動車メーカが実施している「ティアダウン」という手法を指導しました。


この手法は他社の新製品をボルト一本まで徹底分解して、自社の製品と比較し、機能、方式、構造、性能、仕様等についてブラッシュアップするテーマを抽出します。このテーマを自社の新製品の製品企画、コストリダクションに活かします。


日本語でいうと「イイトコドリ」ですが、0から製品を企画開発するより、短いリードタイムで市場のニーズに適合した製品を開発することができます。


サムソン電子はこの手法を「リバース開発」として、活用し、グローバルな各市場に適合した製品を企画開発してきました。この結果が成功要因の1つと言われています。


日本の家電メーカも原点に戻り、この手法を活用して、要素技術、先行開発力の優位性を活かしながら、量産開発でサムソン電子に負けている部分を取り返す行動が必要と思います。


5日の議論はまたブログに書きたいと思います。


posted by a-and-m at 17:38| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年06月03日

競争優位戦略の3つの戦略ポジション

本日は、競争優位戦略について説明をしたいと思います。

一般的に、ハーバードビジネススクール教授であったマイケルポーター氏が出版した競争優位戦略が有名ですが、戦略論は「競争に勝ち利益を得る」戦略として事業の戦略ポジションを重要にするポーターの競争優位戦略、同じく競争に勝つ為に企業の経営資源の強みを重点にするコアコンピタンス経営、そして、むやみな「競争をさけ利益を得る」非競争戦略をポイントにするブルーオーシャン戦略等があります。

もともと戦略は経営目的を達成する為に経営資源を有効に使い、顧客に受け
いられ、競合に勝つ為のツールであり、勝ち目のない無駄な競争を回避し、
競争相手の無力化にあります。

この競争戦略で当時、ポーターは経営戦略の本質を次のように言っています。
「経営戦略の本質とは競争企業とは異なった企業行動を選択する事、つまり、その企業特有の戦略ポジションをとることにあり、そもそも各企業が同じ目標を経営や業務の効率化に展開する事とは異なる。

従って、日本企業のほとんどには戦略は存在しない。日本企業の経営戦略の発想には事業環境の連続性を前提に、右肩上がりの成長を目標としているものの、差別化的な競争を否定し、組織を共同体として継続させるような事をトッププライオリティに掲げる傾向がある。このような思考から、自社特有の新しい戦略ポジションを模索したり、高収益を達成させるようなユニークな企業行動や経営戦略は生まれない。

アメリカ企業の経営戦略の発想には、企業価値を引き上げ、株主に報いるとともに、企業の社会評価を高め、最終的に経営者の価値(報酬)引き上げることが、その根幹にある。」

確かに高度成長時代の日本の企業の戦略は横並び思考を大切にし、競合と異なる土壌で戦う戦略らしき戦略はなかったように思います。ただバブル崩壊後、日本の企業の中でもユニークークな戦略を立案し戦っている企業が数多く出ています。

マイケルポーターの競争優位戦略の3つの戦略ポジション
①コストリーダーシップ戦略(コスト力で競争に勝つ)
② 差別化戦略(商品、サービスで他社との差別化で勝つ)
③ 集中特化戦略(市場を特化し、経営資源を集中し競争に勝つ)

は有名ですが、この観点で日本の企業をみてみると、衣料品のファーストリテイリングのユニクロ、家具のニトリなどはコストリーダーシップ戦略をとり、低価格を武器に戦っています。

また、トヨタのハイブリッド車のプリウス、日産のEV車のリーフなどは明らかに差別化戦略をとり、他社にない差別化商品を出し競走優位を保とうとしています。

一方、最近話題になっている格安航空会社(LCC)は顧客ターゲットを絞り、その顧客だけのニーズ、要望を満たす集中特化戦略をとっています。

その典型が米国のサウスウエスト航空であり、ターゲット顧客を短距離路線(1時間)を利用し「安い航空運賃、早く搭乗したい、利用できる便数が多い、機内食不要」のニーズを持った顧客に絞り、この顧客のニーズを満足できるビジネスの仕組として、機内食廃止、機内清掃はCA、航空機をB737に絞込み、整備コストの低減、航空機の稼働率向上を図っています。

全日空も新会社を設立してこのLCCに近々、参入するようですが、この戦略ポジションをとった場合、既存航空事業とバッティングをする可能性があり、ユナイテッド航空、デルタ航空はこのLCCに失敗しています。戦略が異なる既存事業との明確な切り離しが必要と思います。

この競争優位戦略の戦略ポジションの考え方はあらゆる業種、サービスに活用できる考え方であり、コンサルティングの指導現場でも活用していきたいと思います。
posted by a-and-m at 18:40| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年05月28日

6重苦解消、官頼みに限界

以前、日本経済新聞の経営の視点に「6重苦解消、官頼みに限界」の記事が記載されていました。

6重苦とは①円高 ②高い法人税 ③厳しい労働規制 ④温暖化ガス排出抑制 ⑤外国との経済連携の遅れ ⑥電力不足で、日本の企業はこの6つのハンディを克服しながら経営活動を続ける必要がありますが、このハンディの解消を官頼みにしていても答えはなく、企業の愚直な自助努力で収益をあげる事が近道という記事内容でした。

当社のクライアント先でも、この6重苦、特に円高でコスト競争力が低下する、顧客が海外に生産拠点を移す等の影響で苦しんでいるところがあります。

6年前から中国工場を展開している企業、最近、中国に販売会社を設立した企業、国内のみしか生産拠点が無い企業、様々ですが、いづれも今後の海外展開で悩みが多いようです。

ご時勢ながら、昨年、台湾、ベトナムの工場にクライアント先の要請で指導に行ってきました。ベトナムは政府が工場のインフラ等を整え、積極的に日本の企業を誘致しており、これから展開を考えている企業にとってはチャンスと思います。

今回は6重苦解消の為の海外展開を検討されている企業向けに、海外指導経験も含めて考え方をお伝えします。

1.海外展開の構想、意思決定段階
まず、海外展開を実行する目的の明確化が必要で、意外とこの目的を明らかにせずに海外に工場を設立している企業が多いようです。
①コスト競争力を強化する為に海外工場を設立して、製品を日本への輸入をする為か。
②自動車メーカのように海外の販売市場に近いところで製品を製造、販売し、連結で売上を拡大する為なのか。
③あるいは海外で生産し、海外に販売しグローバル展開を図る為か。
④顧客が海外展開をするので、海外に出ないと売上が確保できず、海外展開をするのか。
いずれの対応も国内生産は減る為、明確な目的、方針が必要と考えます。

目的の次に海外工場展開の複数案を検討して、目的に適合した手段を決定する必要があります。

当然ながらメリット、デメリットを鑑みて対応策を決定するわけですが、この際の視点としては着眼大局、着手小局の考え方が重要と思います。

例えば、最初はレンタル工場から始めて手応えをつかんで、進出を決める考え方のように進めます。

但し、この中で資本投資に対してよく合弁と独資が課題となりますが、いままでの経験から独資が最適と考えます。

特に中国では資本家はあくまでも、如何に短期に投資回収をするかが重要であり、日本の中期的な経営感覚と会わない場合が非常に多く、結果として合弁解消の事例を多数見てきています。

2.海外展開の企画、設立段階
次に企画段階では、日本の工場をマザー工場としての位置付けで、製品開発技術、生産技術、製造技術のブラッシュアップを図り、この技術を海外工場に移転する考え方をもつべきと考えます。日本の製造業の優位性は品質の造り込みに対して設計⇒生産技術⇒製造の一気通貫の優位性のある仕組であり、この仕組の移転が重要です。
また、組織体制は日本のマネジメント層、現地のマネジメント層、現地の操業メンバの人事構成を考え、決して、現地任せにならない体制が必要で、日本風土と現地風土の融合の考え方が必要と考えます。

3.海外展開の運営段階
国民性の違いにより日本では考えられない、色々なトラブルが発生しますが、基本はPDCAのマネジメントサイクルを回す事と現場とのコミュニケーション、日本とのコミュニケーションをとる事が基本でこの考え方で運営すれば、ほとんどの問題が解決できると考えます。
posted by a-and-m at 18:15| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年05月23日

私「売る人」 私「造る人」ではいけない

以前、クライアント先の仕事で売上対策の議論をしました。リーマンショック以降、日本の製造業は売上ダウンが発生し、工場の操業停止に追い込まれている企業も珍しくありません。

このクライアント先も売上が前年比、半減し、社長は売上確保に躍起になっています。

自己資本比率が高く、赤字が出ても、企業の存続にすぐ影響するような問題はありませんが、やはり外部環境の影響により、成り行きで、売上を落とす事が問題と考えているようでした。

この為、営業部門長、技術部門長、製造部門長、管理部門長の経営幹部を集めてこの厳しい環境下で、売上確保をどうしたらできるかを議論しました。

ところが主体となるのは営業部門で他の部門長は他人事です。

売上を確保するのは営業部門の役割で、我々は設計、製造、管理部門でやるべき事は別にあり支援はできるがという感じです。

まさに私「売る人」私「設計する人」私「造る人」です。このままでは議論が進まないので「全員営業」というキーワードを提案しました。

販売するのは営業部門だけではなく、全ての部門が営業マンとして活動し、売上を稼ごうというコンセプトです。

確かに会社が大きくなり、組織化されると職務分掌を作成し、各部門の役割を明確化し組織的に企業活動が行なわれるようにする事が大切です。各従業員が個人商店的に動いていると非常に業務の効率が悪くなります。但しこれが行き過ぎると組織間の壁(セクショナリズム)が発生し、部門最適で行動するようになり弊害がでてきます。

経営コンサルタントの一倉定氏が「責任範囲の明確化」自体が、無責任社員を作り出すといっているように、平常時は効率化の為に組織的に仕事をこなす事は大切ですが、非常時は組織の壁を乗り越えて活動することが重要です。

話を戻しますが、この会議ではこの観点で非常時の売上確保というテーマで全社員が営業になって活動しようというコンセプトで議論しました。

新聞に、ある会社が「営業に技術員を動員」という記事がのっていました。

技術者40人の内20人を工場に近い客先に営業活動をさせるという施策です。この施策は製品の技術内容に詳しい技術員が、直接製品を説明する事で製品導入がしやすくなります。また、顧客から不満や要望を直接聞けるので製品開発に役立てる事ができるというメリットもあります。

まさに全員営業の観点で職務機能を乗り越えて活動する事により、売上確保のメリットも出せ、個人の能力も上がると考えます。私も昔、自動車メーカの開発部隊にいた時に半年営業マンとして活動した事があります。最初はなぜ開発担当者が営業活動をする必要があるのか、時間が無駄だと感じていましたが、実際仕事をしてみると直接顧客と接することができ、車に対する顧客のニーズ、使い方が現場体験でき非常に有用だったと記憶しています。

この厳しい経済環境下で、通常時のルーチンを回す組織活動だけではなく、大きく組織機能、役割を乗り越えた人の配置、行動により経営課題を解決する施策を実施する事も必要ではないかと考えます。
posted by a-and-m at 18:22| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年05月15日

適材を生かせる企業へ

ある企業の事業再生をお手伝いしたときの事ですが、この会社はトップダウンが弱く、経営戦略、経営管理が不十分な状態で経営が推進され、結果として売上ダウン、変動費アップ等の問題により赤字が続いていました。

これを打開すべく事業の再生戦略の立案が必要になりましたが、この戦略を経営トップではなく、会社の将来の危機感を持っている管理職手前の若手数人が集まって立案し、これをサポートしました。

戦略構築の手順に沿って、SWOT分析、事業ビジョン、ビジネスモデル(付加価値の出し方、収益の出し方、仕事の仕方)の構築、実行すべき戦略課題の抽出、組織改革の立案等、若手メンバーで日常業務の忙しい中、時間を見つけて積極的に活動し戦略を構築しました。

通常、コンサルティングの現場では役員クラスで戦略を構築する場面が多いのですが、今回は若手社員を指導しながら再生戦略を立案しました。

上から言われて行動するのではなく、自ら戦略構築を志願したメンバーなので非常に能動的で検討のスピードが速く、普通は3~4ヶ月の期間が必要なところを2ヶ月で戦略構築を終了できました。

ビジョナリーカンパニーの著者で有名なジェームズ・C・コリンズが危機を生かせる会社は社員が適材であることが重要といっています。彼は社員が適材である条件を6つあげています。

1.会社の基本理念を共有している。経営者は基本理念を共有できない人材を採用してはならない
2.上から厳しく管理される必要はない。会社が社員の管理に多くの時間を割いていたら、経営者は人材採用で誤っている
3.仕事ではなく責任を与えられていると自覚している。「私が最終責任を負う」と誓約できる
4.コミットメントを守り、大言壮語しない。不平を言わずに「やる」と言ったことを確実に実行する
5.会社と仕事に対して情熱を見せる。情熱を持っていてこそ偉大なアイデアや商品を生み出せる
6.「窓と鏡」の基準を満たしている。適材は成功したら仲間の功績に、失敗したら自分の責任にするほど成熟している

私はこの適材を生かせる企業が外部環境の変化に柔軟に適応でき勝ち組になれる会社だと考えます。

先ほどの事業再生戦略を構築した若手メンバーはまさにこの適材メンバーで、受身ではなく能動的で我々も指導のしがいがありました。

このような人材をうまく活用できる経営トップの意思、役割が非常に重要だと思います
posted by a-and-m at 17:34| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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